よみがえれ!熊野古道

 9月に紀伊半島を襲った台風12号で、世界遺産・熊野古道も大きな被害を受けた。中辺路ルートは「小広王子」から「船玉神社」間が土砂崩れで通行止めに。ルートのほとんどで、今まで通り美しい古道めぐりが楽しめるが、観光客は遠のいたままだ。被災から2カ月が過ぎ、復興への取り組みが続く、中辺路を歩いた。

9月の台風12号の大雨で土砂崩れ起こした三越峠付近。美しい古道の風景が一変した=和歌山県田辺市の熊野古道・中辺路

 JR紀伊田辺駅でレンタカーを借りて、道の駅「牛馬童子ふれあいパーキング」をスタート。国道311号から一歩はずれれば、檜林の間から差し込む陽光が古道を優しく照らす。

 30分ほどで、中辺路のシンボルとして親しまれる「牛馬童子」像に着く。

 平安時代の花山法皇の旅姿をしのんで彫られたという石仏は、高さ50センチとかわいらしい。

熊野古道を散策する夫婦。長崎県から車で訪れた=和歌山県田辺市

 発心門王子を過ぎると熊野本宮大社の神域となる。石畳の美しい道が続き、「コン、コン、コン」とキツツキが木をたたく音が響く。

 1日目の宿は、熊野大社本宮に近い「湯の峰温泉」に。湯の谷川沿いにある天然岩風呂「つぼ湯」で有名。古道めぐりで疲れた体を癒してくれる。

 秋の行楽シーズン、例年なら駐車場は満車で「つぼ湯」も順番待ちの人であふれるが、今は人もまばら。

三越峠付近の土砂崩れ現場。仮歩道が設けられ復興に向けた整備が進む

 民宿を営む倉矢たけ子さんは「温泉街はいつも通り営業していますが、1日1組の宿泊客があるかないか。バスの通行が再開されないと集客は厳しい」と複雑な表情を見せた。

 台風12号の被害で熊野本宮大社周辺の商店や民宿の1階が浸水し営業がストップした。

 しかし、現在は後片付けが進み〝熊野が復興に向かう姿を見せなあかん〟と新しい動きも始まっている。

「牛馬童子」像近くの檜林に立つ案内板

 熊野本宮大社近くに被災店舗などが集まった「SAVE KUMANO」がある。熊野観光の情報発信、さんま寿司など地元の物産品が販売される。

立ち入り禁止のロープが張られた発心門王子 

 発起人の1人、大竹哲夫さんは「台風被害の報道を見て、熊野に行ったら現地に迷惑じゃないかと遠慮されている方がいると聞きます。今来ていただくことが熊野全体の応援になるのでぜひ来てほしい」と話す。

三越峠付近の土砂崩れ現場 

 2日目は、古道の中でも大きな被害のあった「三越峠」付近の土砂崩れ現場を訪れた。山の一部が約100メートル崩れ落ち、元の姿が想像できないひどい状態。

被災店主らが運営する「SAVE KUMANO」。店内には地元の名産品が並ぶ=和歌山県田辺市本宮町

 しかし、崩れた現場には階段が作られ、仮歩道の整備が進む。元の姿に戻るにはまだまだ時間がかかるが、熊野古道は今、一歩ずつ復興へと歩み始めている。

(写真報道局 志儀駒貴)

牛馬童子ふれあいパーキング付近の熊野古道 

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