夕刻のJR新大阪駅―。にぎわう人々を通り抜けて、25番ホームの先端に立つと「鉄仮面」の愛称で親しまれる300系新幹線「ひかり482号」がゆっくりとホームに滑り込んだ。
3月17日のダイヤ改正で、100系とともに現役から引退する300系の最後の勇姿をカメラで追った。
300系は平成4年、初代「のぞみ」としてデビューした。最高速度は時速220キロから270キロにアップ、東京―博多間を駆け抜けた。
しかし、11年に主役の座を700系に譲り、19年のN700系の登場で車両は徐々に廃車になり、現在は「ひかり」や「こだま」として運行される。
ホームに向かう300系にレンズを向けると、小学生のころの記憶がよみがえり、寂しさがこみ上げてきた。
当時、友人とカメラを手に、名古屋駅のホームで新幹線をずっと見つめていた。
次々にホームに到着する新幹線たち。300系のぞみを筆頭に0系や100系、ロケットのような500系も走り、ホームは最高の鉄道博物館だった。
その300系も車両の「省エネとハイテク化」には勝てなかった。
N700系は、0系と比べて、最高で5割近い電力の節約が可能となった。速度も上がり、300系で2時間30分だった新大阪―東京間も2時間25分に短縮された。
さらに、電源はもちろん、無線LANによるインターネット接続サービスも登場。「高速移動・省エネ化と利便性向上」という時代のニーズが300系を引退に導いた。
同時に引退する100系は、昭和60年に0系の後継として運行を開始。新幹線で初となる2階建て車両が話題になった。が、高速化に対応できず300系に主力が移る。今は山陽新幹線の岡山―博多間にわずかに残るのみとなった。
今後、東海道・山陽新幹線は、山陽新幹線に残る500系を除き、700系とN700系の2種類に。寂しさをかみしめながら、去りゆく300系に別れを告げた。
(写真報道局 沢野貴信)

































