デジタルカメラ各社が夏商戦に向け、光学ファインダーなどを省いた「ミラーレス一眼」に力を入れている。オリンパス、パナソニックなどが相次いで新作を発表したほか、HOYAも8月上旬に参入する予定。各社とも独自機能をPRし、差別化を図る考えだ。ただ、ミラーレス市場では急速な単価下落が続いており、キヤノン、ニコンの2大メーカーも未参入のままで、「市場拡大は限定的」(アナリスト)との見方もある。
■ オリンパス高速訴え
「初心者から上級者まで幅広い顧客層にアピールしたい」。オリンパスイメージングの高山修一社長は30日、新作発表会でこう強調した。
同社が7月22日に発売する「ペンE-P3」(ダブルレンズ付きで市場想定価格12万円)は、レンズ交換式として世界最高速のオートフォーカス機能を搭載。ディスプレーに有機EL(エレクトロルミネッセンス)を使用し、本体のグリップ部分も自在に付け替えられる着脱式にするなど、デザインにもこだわった。
ミラーレス一眼は、オリンパスのカメラ事業にとって「起爆剤」(マイケル・ウッドフォード社長)だ。2010年度のデジカメ事業は約150億円の営業赤字に陥ったが、新製品をてこに「今年度中にトントンか黒字に転換させる」(同)という。
一方、ソニーは6月、撮影画像の加工機能を強化した「アルファNEX-C3」(市場想定価格8万円)を投入。パナソニックも、ディスプレーに触るだけでピント調節や撮影が可能な「ルミックスDMC-G3」(同11万円)を発表しており、各社は夏の商戦に向け次々と新機種を投入。
新規参入組では、HOYAが8月をめどに、重さ200㌘で世界最小・最軽量の「ペンタックスQ」(同9万円前後)を発売する。
ただ、ミラーレス一眼をめぐる市場環境は厳しい。調査会社のBCNによると、ミラーレス一眼の平均販売単価は昨年5月の7万1400円から、今年5月には5万1500円と3割近くも下落。通常の一眼レフデジカメが8万円台で安定的に推移しているのに比べ値崩れが激しく、「収益力は弱い」(アナリスト)。一眼レフほど高級・高性能を訴求できていないことなどが要因とみられる。
しかも、今のところ市場は日本、韓国、台湾などに限定され、欧米や東南アジアなどの市場開拓がほとんど進んでいないため、大幅な市場拡大も見込めない状況だ。こうした状況を踏まえ、デジカメの世界シェアでトップを争うキヤノン、ニコン両社はミラーレスには参入していない。「圧倒的なネームバリューを持つ両社が始めなければ、国際的に浸透するのは難しい」(同)との指摘もある (渡部一実)





















